明日に向かうのが嫌だと遠くで誰かが叫んだのが聞こえた。


嘘だぁ、笑って同意を求める。
シカマルはそれに片眉を上げる事で同意し、それに自分は安堵した。

眠っていた脳は夕方から冴え、夜に覚醒し、気が付いたら日を跨いでいる日常。
そんな風に日々を過ごしている自分達からは決して理解出来ない感情。
それを簡単に否定してしまえる程、自分達はまだ若くて、浅はかだった。

新しいものが好きで、変化を楽しんで、でも丸ごと変わるのは恐かった。
白紙のページを雑多に塗りつぶして、次を捲るのが恐かった。
恐かったのだ。

「シカマル」

呼ぶ。

「ん、何」

反応する。
それだけの行為で、ああまだ繋がっていられる、と。

「呼んでみただけー」

笑った死角で握り締めた拳が二、三震える。
どうか気付かれないままにと秘かに願う。

「あ、そ」

臆病だったのだ、あの頃は。





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20090607




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